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エリザベス洋装店のブログ

人類文明史の闇に沈む火星、恐怖の記憶

太古の昔から、人類が赤い隣人惑星、火星に対して抱いてきた感情にはほかの星々に対するそれとは違う、特別で異質なところがある。同じ赤い星で有名なのはさそり座のアンタレスやオリオン座のぺテルギウスなどだが、これらはいずれも銀河内はるかかなたの遠い恒星で、ほかの色の星々同様に美しく輝き、不気味な印象は与えない。だが、火星は太陽系内の惑星で、地球にもいちばん近いだけにあり、肉眼で見えるほかの4惑星(水、金、木、土)と比べても、旧称の遊星にふさわしくひときわ動きがあわただしく見え、数年に一度は最接近して、真っ赤な血か炎のように輝く。そこで火星は昔から不吉、戦争、疫病、死をつかさどる”凶星”とされ、畏怖と恐怖の対象だった。火星の名称MARSは、ローマ神話の軍神マルスからとられている。世界最古とされるシュメール神話やそれ以降のメソポタミア神話の火星神ネルガルもまた戦争や疫病や死の神だ。ギリシャ神話では軍神アレスがゲルマン神話では戦いの神テュールが火星神で、後者は火曜日(チューズデイ)の語源でもある。インド、ヒンズー神話の火星アンガラカも戦争と災厄や戦乱の吉凶と恐れられていた。日本も中国にならい榮惑を使い意味をとって”焔星(炎星)”とも呼んだ。また、最古の和名という”夏日星”も日照りや飢饉を連想させるが驚いたことに火星という和名も、鎌倉時代の僧侶、慈円の史論書<愚管抄>までさかのぼり、やはり飢饉を呼ぶ”火の星”として不吉視されていたのだ>それにしてもなぜ火星は人類最古の時代から、常に荒ぶる戦いの神、災いを呼ぶ不吉な星として恐れられてきたのか?そこには、見かけのまがまがしさだけではなく、火星に関する破滅的な元型的記憶(アーキタイプ的記憶)が、人類の集合的無意識に太古の時代から刻まれているからと推測できる。そしてこの”火星恐怖症”は太古の時代、地球人類が火星文明とつながりを持っていた可能性を暗示する。それはどんなつながりだったのか?