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エリザベス洋装店のブログ

本から得た<喜び>by 皇后美智子さま

本から得た<喜び>についても。ここで是非お話をさせていただきたいと思います。確かに、世の中に様々な悲しみのあることを知ることは、時に私の心を重くし、暗く沈ませました。しかし子供は不思議なバランスのとり方をするもので、こうして少しずつ、本の中で世の中の悲しみに触れていったと同じころ、私は同じく本の中に、大きな喜びも見出していったのです。この喜びは、心が生き生きと躍動し、生きていることへの感謝が湧き上がってくるような、快い感覚とでも表現したらよいでしょうか。初めてこの意識を持ったのは、東京から来た父のかばんに入っていた小型の本の中に、一首の歌をみつけた時でした。それは春の到来を告げる美しい歌で、日本の五七五七七の定型で書かれていました。その一首を繰り返し心の中で詠んでいると、古来から日本人が愛し、定型としたリズムの快さの中で、言葉がキラキラと光って喜んでいるように思われました。詩が人の心に与える喜びと効用を私はこの時初めて知ったのです。先に私は本から与えられた<根っこ>のことをお話しいたしましたが、今ここで述べた<喜び>は、これから先に触れる<想像力>とともに、私には自分の心を高みに飛ばす、強い<翼>のように感じられました。