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エリザベス洋装店のブログ

喜びを敏感に感じる心 by 皇后美智子さま

今振り返って、私にとり、子供時代の読書とはなんだったのでしょう。何よりも、それは私に楽しみを与えてくれました。そして、そのあとにくる、青年期の読書の読書のための基礎を作ってくれました。それはあるときには私に根っこを与え、ある時には翼をくれました。この根っこと翼は、私が外に内に、橋をかけ、自分の世界を少しずつ広げて育っていくときに、大きな助けたなってくれました。読書は私に悲しみや喜びにつき、思いめぐらす機会を与えてくれました。本の中には、様々な悲しみが描かれており、私が自分以外の人がどれほどに深くものを感じ、どれだけ多く、傷ついているかを気づかされたのは本を読むことによってでした。自分とは比較にならぬ多くの苦しみ、悲しみを経ている子供たちの存在を思いますと、私は自分の恵まれ、保護されていた子供時代に、なお悲しみはあったということを控えるべきかもしれません。しかしどのような生にも悲しみはあり、一人一人の子供の涙には、それなりの重さがあります。私が自分の小さな悲しみの中で、本の中に喜びを見出させたことは恩恵でした。本の中で人生の悲しみを知ることは自分の人生にいくばくかの厚みを加え他者への思いを深めますが、本の中で過去現在の作家の創作の源になった喜びに触れることは、読む者に生きる喜びを与え失意の時に生きようとする希望を取り戻させ、再び飛躍する翼を整えさせます。悲しみの多いこの世を子供が生き続けるためには、悲しみに耐える心が養われるとともに、喜びを敏感に感じる心、また、喜びに向かって延びようとする心が養われることが大切だと思います。そして最後にもう一つ、本への感謝をこめて付け加えます。読書は人生のすべてが決して単純でないことを教えてくれました。私たちは、複雑さに耐えて生きていかなければならないということ。人と人との関係においても。国と国との関係においても。