アソビねっブログ

1967年のときめき 2016/07/26
ロンドンはアビーロードスタジオから、ビートルズの四人にミックジャガー、キースリチャーズ、エリッククラプトン、グラハムナッシュ、キースムーンらを加えた一団が、世界四億人のテレビ視聴者に向けて<オールユーニードイズラブ>を発信したのは、1967年6月25日(日本時間26日早朝)のことだった。この1967年6月という数字が重要である。この記念すべき月、<ラブ>という語は、一つの<エポック>といえるほど大きな祝祭のコンテクストに包まれていた。サンフランシスコのヘイト通りと、それにクロスするアシュベリー通りの一帯は、エンドレスなお祭りの真っ盛りだった。インドメンのローブを着てエジプトのお守りをかけて、まだ本当に童顔の抜けきらない花の子供たちが、醜い<アメリカ企業体>とはきっぱり切れた、もう一つの別な、思い通りの現実を現出しているのだという幻想に酔いしれた。髪にも雛菊をかざし、裸足になって思い思いのボディペインティングを施し、ビーズの首輪をカリフォルニアの光にきらめかせ、真鍮の腕輪をチャラチャラ鳴らし、胸いっぱい魔法の煙を吸い込んで、彼らは文明にアッカンベーした。そして、そこにメディアが群れた。トレンディな雑誌はどこもかしこも<ヘイトレポート>を掲げた、ひげづらの<ライフ>のレポーターが同じひげ面の<ルック>のレポーターをヒッピーと間違えてインタビューしたなんて笑い話も残っている。

by 6014D | 2016-07-26 16:32 | コメント(0) | 未分類


愛こそはすべて?by佐藤良明2、 2016/07/25
確かに(オールユーニードイズラブ)の歌詞を見ると、<愛があれば、すべて可能だ>と言っているように聞こえる。There’s nothing you can know that isn’t known,Nothing you cansee that isn’t shown,Nowhere you can be that isn't where you'remeant to be,聞いているほうは今までの流れで<知ることが可能なことなら、なんだって知ってしまえるさ>と解釈しようとするのだけど、しかしこれ、that can’t be knownと続くのではなくて、that isn’t known.これだとどうも、<君に知ることができるのは、知られていることばかりさ>となってしまうようである。<きみがみることができるのは、見られるようになっていることだけだし、君がいられる場所は、最初から君がいることになっている場所。>これは<やればできる>の逆だ。<無理したってしょうがないじゃん。>意味がくるっと一回転するそして、そうなると最後のリフレーンの意味も変わってくる。it’s easy,All you need is love,,,<そう簡単な話さ。あくせくすんなよ。LOVEがあれば、いいんじゃないか?>そう言われて肩の力を抜いてしまうと、それ以前の歌詞までが横滑りを起こし始める。意味の逆噴射というのだろうか、一番の最初のラインにしても<できないことはない!>という力強い励ましから、<そうさ、できないことはないよ、できることならね。>意地悪くも楽しい、ずっこけのメッセージが一丁出来上がりというわけだ。

by 6014D | 2016-07-25 16:06 | コメント(0) | 未分類


愛こそはすべて?by佐藤義明1、 2016/07/25
side1はメッセージやシンボルやファッションとそのコンテクストという問題を扱う。コンテクスト研究としての<60年代>研究。僕ら全員の生きた思いをすっぽり載せて、そこを飛び交う記号の意味を変えながらトオトオと流れる<コンテクスト>の大河として時の流れを見ていこうというわけだ。一つの<誤訳>から入っていこう。All You need is love,愛こそはすべて。確か<新、偉人伝>といったNHKの番組で、ミッドエイティーズのある晩、<ジョンレノン伝>というのをやった。ゴールデン、タイムの視聴者に、広く薄く見せるレノンもの。勢い、設定は、30からまりのサラリーマンの一家庭、あの悲劇の日の夫婦の会話なんてことになる。その日、夫が帰宅すると妻は昔のレコードを座敷に広げて虚脱状態にあった。<なんだお前、夕食の支度もしてないのか。どうしたんだよ、その目。><あなた、何も聞いてないの?<聞いたさ。ジョンレノンのことだろう?こっちはそれどころじゃないんだ。>ネクタイを外しながらいつものように仕事の愚痴を開始する夫の脂ぎった額のあたりを、妻はぽおっと見つめている。<あなた、変わってしまったわ、このレコードをプレゼントしてくれたときのあなたは夢を持っている人だった、、、>それから二言三言あって、夫の気持ちも次第にメローになっていく。彼こそ10年も心の奥に押し込んできた思いが、ぐいぐい頭をもたげてきて、口からあふれるエモーショナルな言葉は、ついにはほとんど演説口調。(愛こそはすべて。そうジョンは教えてくれた。出来ないことは何もない。歌えない歌は何もない、、、)(愛の聖者ジョン>。このメディア時代のフォークロアの、ここ何年かの浸透の勢いには、実際目を覆いたくなるものがある。<昔々リバプールの町に、一人の美しい青年がおりました、、、>と、まさにそんな調子で始まる物語が、世界中の大衆紙やタブロイド判の新聞で、何かにつけて語られて、町のビデオ屋にジョンとヨーコのそっくり酸が演じる、ハーレクインロマンス風の物語まで並んでいる。なんというか、今のレノンはロミオも真っ青の<愛の貴公子(ぶりなのである。

by 6014D | 2016-07-25 16:01 | コメント(0) | 未分類


オリーブ色したサイケデリックby佐藤良明 2016/07/20
時のとらえにくさは、どこか遊びのとらえにくさに似ている。楽しい時を持った二人が、その時やったそのままをひとつ残らずなぞってみても、それであの楽しさが再生されるわけではない。股上の短いベルボトムのジーンズをはいて、ラブ&ピースのバッジをつけて、それで1971年が戻ってくるのでないと、このもどかしさは親類である。1988年春、ハイティーン向けおしゃれ雑誌が<あの時代>を特集した。題して<春の流行第二弾。70年代は、おしゃれテクスト>。-<1970年代生まれのオリーブ少女は18歳!気ままで刺激的だったあの頃のエッセンス、今のおしゃれに生かしてとびっきり新鮮!>なのだそうである。表紙には強烈な日差しの中で強烈にスマイルしている少女がいて、その子のいでたちがまた強烈で、、、。デニムのオーバーオール、洗いざらしのメンシャツ、ハート形のめがねにビーズの首飾り。口紅はショッキング系のパステルカラー。そして背景には大きくブルーで書かれた<love &peace>の文字.中を開けるとこんなキャプションが目白押しだ。<おしゃれにもスリルが必要ね、ドキドキするくらい大胆に>。<ユウキ出して、ちょっとサイケな色使い>、、、。引っ張り出されるものは似ていて、意味が全くすり替わっているときに、僕らはそこに時の流れを感じてしまう。それは時の流れが、<コンテクストの流れ>に他ならないせいだ。ちょっと復習しておこう。<意味>を携えるモノとコトのすべてーは、コンテクストの流れ>にあって初めて意味を携える。僕らはよく、<アイシテル>という発話j自体に、愛を表現する力があるみたいに考えてしまうけれども、もちろんそれは錯覚である。<アイシテイルワ>という音列は、<アイシテイルワ、なんて、あたしも乗るほうね>というメッセージにもなれば、<あたしたちって、しょせんきれいごとの関係なのよ。ああ、退屈>というメッセージにもなる。<あんたみたいな坊やちゃんには用はないわよ>という罵倒の言葉にだって、十分なりうる。どれになるかを決めるのは、その場の雰囲気、二人の親密さ、人間関係の規則などなど、大小様々の<コンテクスト>だ。かって僕らはジーンズそのものが商業主義からの<反抗>を意味するみたいな気分でいた。そしてジャックリーヌオナシスやオードリーヘップバーンがファッション雑誌の表紙に、デニムの上下でばっちり決めて登場したのを見て、あわてたものだ。なんということはない。あの狼狽は、単純な記号論的無知に発していたのである。1988年、どこかの雑誌で企画した<今ジーンズが一番似合う女の子、ファン投票>の第一位は今井美樹であるのだそうだ。彼女を<今井美樹>にするジーンズは、ジェームスディーンを理由なき反抗のシンボルにしたジーンズとは、全く別な意味である。

by 6014D | 2016-07-20 15:38 | コメント(0) | 未分類


愛こそはすべて!by佐藤良明2、 2016/07/12
ここで、当時のジョンの詞の全体を取り上げてみる。1967年の(ジョンのものと特定すべき)新譜は<オールユーニード>のほか七曲しかない。シングルカットの1、<ストロベリーフィールズフォーエバー>。<サージェントペパーズ>から2、<ルーシーインザスカイウィズダイヤモンド>3、<フォアザベネフィットオブミスターカイト>4、<グッドモーニンググッドモーニング>5、<アデインザライフ>それに<オールニード、、、>のB免、<ベイビーユーアーアリッチマン>。そして六曲入りのEP版で出た<マジカルミステリーツアー>から7、<アイアムザ、ウオーラス>。これで全部だ。しかしこれらはなんという歌ばかりだろう。単純でストレートな思いを伝達するというのは一曲もない。ここに並べられているのはポピュラーミュージックの基本を裏切るバロックというかなんというか、とにかく二十にも三十にもひねった歌詞ばかりだ。<ラバーソウル><まで、つまり<ガール>、<インマイライフ><ノルウェーの森>、<ランフォーユアライフ>あたりまでは、ジョンも基本的にロックンロールやリリカルなバラードをうたっていた。それが<リボルバー>の過渡期を経て1967年になると、ロック史上空前で、その後も耐えてないという感じの歌詞ばかりになってくる。特徴だけ簡単に並べておくと、!、言葉遊び~洒落と地口が増殖し、多義性とナンセンスが支配している。2、サイケデリック、トリップへの招待。3、リラクゼーション=”nothing to do”とか”it doesn’t matter”という種の言葉が目立つ。倦怠と流動。社会的自己の消散。4、ランダムな言葉の機関銃。5、引用とパロディ。この一つ一つが。言っていることをまじめに、ストレートに青春ドラマ的に意味する、主張や掛け声のコンテクストの逆を行くということは明らかだ。こうした中に<オールユーニード、、、>を置いてみると<愛こそはすべて!>という訳は、ちょっと苦しい。癒そうとばかりは言えないところが言葉と意味との不思議な関係なのである。<愛こそは!>のぎょぎょしさは、曲のパロディ感覚を実にうまく表現してもいるわけだ。

by 6014D | 2016-07-12 16:47 | コメント(0) | 未分類



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